先日、時間ができたこともあり、午後から千駄木から上野まで
ぶらりと散歩してきました。
谷中も久しぶりで、今回はじっくりと谷中銀座を中心に歩き
ました。
東京メトロ千代田千の千駄木駅で下車して、階段を上に上がると、
ちょうど団子坂の交差点の前に出ます、交差点から山手線方向
に少し歩くと、へび道の信号があり、そこを左折してしばらく歩くと
谷中銀座商店街の入り口になります。
団子坂の由来は坂の下に団子屋さんがあったとか云われてい
ますが他にも雨の日に転ぶと団子のように泥だらけになるから
だという説もあるようです、団子坂が小説の舞台として取り上げ
た小説も多くあって、夏目漱石、森鴎外、江戸川乱歩、
二葉亭四迷などの作家が小説のなかで登場してきます。
夏目漱石の「三四郎」では熊本から上京した青年がなれない
東京で、とある女性としりあうのですが、せつない思いとはうらはら
に翻弄されてしまい、傷ついていく姿がいたいたしく書かれています、
青年は最後に「迷える子羊」とつぶやき、なんともいえないやるせ
ない気持ちになっていきました。
そんな、抒情的な背景となった団子坂ですが、もちろん今では
そんな情景を想像する事はできません、ただ、この辺を歩いて
いると、なんとなく所々の場所や、建物の雰囲気から、ふと、
ある種のせつなさを共感してしまう事があります。
それが、谷中銀座の商店街だったり、へび道だったりして気持ち
が導入されてしまう空間なのです。
店先になにげなく飾った乱歩派と書いてあるイラスト、洋風の
飲食店ですが、なんかこの場所にはあっていました。
この店構えもいい
雰囲気です、軒下
の飾りは夢二の
美人画でしょうか。
なんとなく入りたくなる
居酒屋ですね。
日が落ちた頃、日本酒
を傾けてみたい雰囲気
でした。
商店街の突き当たりは
「夕やけだんだん 」
だんだんと夕やけが見え
てくるからでしょうか...
坂の手前の商店の壁にあった装飾、どんど焼きでしょうか。
坂の上から谷中銀座を見降ろすと
雑然と、ごみごみした印象を受け
ます、ここはもうすっかり観光地と
なっているようです、ツアーバッジ
をつけた団体客がいったりきたりして
います、以前はもう少しこんなに
混んではいなく、落ち着いた、
しっとりとした佇まいでしたが、
残念な感じがします。
上野まで歩いて行く途中になつかしい車を発見しました。
私が最初に買った車、日産ブルーバード510です、たしか中古で25万円で買った
記憶があります、会社の同僚とツーリングやスキーによくこの車ででかけました。
渋滞にはまると、よくオーバーヒートして悩ませてくれました、いい思い出です。
ビルの多い街中にもまだこんな家が残っていました、昔はどこにでもこんな
家がありました、母方の実家もこんな感じでした。
もう上野公園です。
親子ずれが楽しそうに銭洗い弁天から歩いてきて、露天のお店の前を通り過ぎて
行きます、のんびりとした平日の午後でした。
2013年11月4日記