昨年、異国から帰国した妻が突然の緊急入院で体力維持のため、トレッキングを始める
事にした。
大菩薩嶺、つくば山、尾瀬、など比較的簡単な場所からはじめ、今回は千葉房総半島
にある鋸山へと向かった。
行き帰りを考えると、足はどうしても車になってしまう、車の欠点はスタートとゴール
が一緒になることですがしょうがない。
車は浜金谷駅前の駐車場に止める事にした、一日、1000円。
浜金谷駅からは登山道入り口までは十数分と比較的近い距離にあります。
登山コースはいくつかあるのですが、今回は車力道というコースを登りました、
この名前は、以前、鋸山は採石場として古くから利用され、ふもとまで切られた
石を荷車で運搬した道路からきたそうで、この道路を女性達が1日3往復、石を運搬
したそうで、結構というよりはかなりの重労働だ。
道路には荷車の輪だちが残っている、私なら2往復が限界だろう。
それも無理かな.....
やがて、小1時間ほどで、採石場跡に着く。
見上げると圧倒的な高さの採石場跡である、採石の仕事もさぞ、きつかっただろう、
今の時代では3K以上の仕事だな。
そこからしばらく急な階段を登ると、展望台に到着し、視界が開ける。
浦賀水道を行きかう舟が小さく見え、かなたに、かすかな富士山が浮かんで見える、
駐車場の親父さんが、「今日は残念だけど、富士はみえねえな」といっていたが、
少しの間だけ、雲がとぎれたようで、うれしかった、苦労してのぼった甲斐があった
というものだ。
そこから、地獄のぞき、千五百羅漢をめぐって下山することにして、地獄のぞきを
目指して、もうひとがんばりだ。
やっと、地獄のぞきの真下まできた、下から見上げた地獄はかなり恐い。
オーバーハングから下を見るとまさに地獄が見える気がするのだろう。
登る途中から日本寺の境内となり、拝観料が必要となる。
拝観券を買うと、すぐそこには「百尺観音」がある、6年の歳月をかけ、昭和41年
に完成したそうで、なかなか迫力がある、写真の看板が1メートル50ぐらいなので
かなりの高さであることが想像できる。
境内全体では十万坪もあるといわれ、この羅漢像もあちらこちらに点在している、
どれをとっても同じ表情をしている羅漢はないようなので見飽きはしない。
笑い、悲しみ、苦しみ、あきらめ、この羅漢達はすべてを持ち合わせているようだ。
その中でも気にいった羅漢、なんともいえない表情、手で耳をおおっているのは
何も聞きたくないということなのか...
うちすてられた羅漢群、明治の「廃仏毀釈」によりほとんどの羅漢像の首が落とされた
ようで、あまりにも無残....
明治の失策の一つは「廃仏毀釈」、奈良興福寺の国宝の五重塔などは250円で売り
にだされ、運よ、くもどされはしたものの、全国的にはおおきな損害となった。
境内にある、大仏。
1783年に建立されたが野ざらしのため、風雨にさらされ、江戸時代になり、壊滅的
状態となったそうで、昭和となり大修復され現在となった、高さ31メートルもあり、
圧倒されてしまう。
10時から登山を開始し、もう夕方の3時を回ってきた、妻の脚の疲労もかなりでてきた
ようなので下山は止むなくロープウエイになった、2時間近くかけて登った鋸山も、
ロープウエイなら数分でふもとまでいってしまう、便利だな。
帰宅は、疲れをいやし、食事して帰る事になり、保田までもどり、入浴して食事する事
にして漁協直営の「ばんや」へたちより、温泉ではないが、炭酸風呂で身体を休めた。
これは妻の食べた天然地魚丼、値段はこれで1150円、安い!
私は海老てんぷら、大海老3本、なす、ニンジン、etc で、1200円これはぜったい安い。
当然、食べきれず持ち帰ったが、そういう人が多いようで、パックが10円で用意されていた。
帰りは自宅まで2時間半、ここちよい疲労が満ちた1日だった。